肘(肘頭)の骨折:那珂市・那珂やまだ接骨院

query_builder 2023/01/16
スポーツ外傷腕の痛み


こんにちは、那珂やまだ接骨院です。


今回は先日相談された肘の骨折について、レントゲンを見つけたこともあり、ブロブに残していこうと思います。


肘の骨折には今回の肘頭骨折のほか上腕骨(顆上骨折、内果骨折、外果骨折)など子供がおこしやすく手術の適応になるものや、橈骨(頭骨折、頸骨折)、尺骨(肘頭)などがおきます。※経験的に多いのは橈骨、上腕骨、尺骨の順です。


尺骨肘頭骨折は、病院ではほとんど手術をすることが多いと思われますが、ご本人の希望などで手術をしないケースもありますので、両方のことを含めお話していこうと思います。


まず肘頭骨折とは、肘の関節の滑車の部分が折れて、次のレントゲンのように上腕三頭筋で上方への延長転位をするとなっています。



D2E3BB93-7C05-4F9F-B52E-A103BEC12D4F


ここで少し私は疑問を持っていて、上方転位なのでしょうか?

自分の中では、肘頭の上方転位というよりも後上方方向への回転転位と考えていており、後の整復後のレントゲンがありますが、整復する時には肘頭に遠位骨片を寄せるようにすると、ほとんどのケースで関節面はより、場合により後方に隙間ができることがあります。

ここから推測されるのは、肘頭の骨片の位置ではなく、向きが変わっているのではないかという事です。(もちろん僅かであれば、上方転位はあると考えますが。)


4C62AEB6-BA84-4C2E-98CA-8639FCBD024D


上のレントゲンは伸展のみの整復後の写真で、実際は肘頭部をおさえたまま、さらに遠位を伸展そて整復終了となります。


さらに仮説の別の理由としては、次の写真のように肘頭と肘頭窩の位置がほとんど同じことが多く見られます。


肘頭骨折位置


むしろ肘頭窩に固定され、後上方に向きを変えているので、骨片の掌側よりも背側が広くなっていると考えています。

そして、環指の姿勢保持のために肘を屈曲するため、さらにこの傾向は強くなっていると考えております。

実際肘の正面の写真を撮ると、意外と隙間が狭く映ります。


そのようなわけで、自分としての整復法は、肘頭を固定したまま、前腕を伸展する方法をとっておりました。


次に手術の方法ですが、簡単に説明しますと、金属プレートを使用し固定する方法、針金とワイヤーを使い隙間が寄るようにする方法が多いと思います。手術後の患者様が来院した数的には、後者が多いように思われます。(通常は後者、粉砕骨折などでは前者が選ばれやすいかと。)

針金とワイヤーを使ったもののイメージを先のレントゲンに付け加えてみたものが次の写真です。

肘頭ワイヤー

このようにして、早期よりリハビリが開始できることと、屈曲時に骨折面の圧力がかかり骨癒合を促しやすくしております。


この手術は比較的安定性が高いのですが、数十人で1人ピンが抜けかけてきていた方がおりました。また、肘頭に刺したピンが痛かったり、肘の伸展制限がわずかにおきることが多いので、身体を動かす方などは、ピンを抜く手術も考慮したほうがいいと感じます。(自分であれば、抜くと思います。手術をするかどうかは別のお話ですが。)

あとは傷の大きさでしょうか。


この骨折では、予後に伸びきらないということはあっても、曲がりは気にならない程度まで行くので、生活的な予後は、悪く位はないと感じます。


患者様におかれましては、まずケガなどされませぬよう、ご注意いただきますようお願い申し上げます。

----------------------------------------------------------------------

那珂やまだ接骨院

住所:茨城県那珂市飯田2702-18

電話番号:070-7669-6799

----------------------------------------------------------------------